2025年 神奈川工業技術開発大賞 奨励賞 受賞

神奈川工業技術開発大賞とは

神奈川工業技術開発大賞は、神奈川県と神奈川新聞社が共催している表彰制度で、県内の中堅・中小企業が開発した優れた工業技術や製品を対象としています。この賞は、技術開発の奨励と技術開発力の向上を目的としています。

神奈川県より提供

株式会社キーストーンテクノロジーは、「第40回 神奈川工業技術開発大賞」において 奨励賞 を受賞しました。

開発の背景

従来の人工光栽培では、白色LEDや蛍光灯を用いた照射が一般的でした。
しかし、光の波長によって光合成への寄与や熱ダメージが異なるため、白色光を当て続ける方式では以下の課題がありました。

  • 植物が十分に光を活用できず、成長機会を損失する
  • 不要な波長を含むため、余分な電力消費が発生する
  • 長時間照射により、植物が光合成を自ら抑制する「昼寝現象」が起きる

こうした課題を解決するため、当社は光の制御そのものを見直し、植物の生理応答に合わせた照射技術の開発に取り組みました。

技術のポイント

ECOBOOST_LED_SOLUTION

当社が開発した「エコブーストLEDソリューション」は、赤(R)・緑(G)・青(B)のLEDを独立して調光できる独自システム です。

主な特徴

  • RGB 独立調光により、光の色と強度を時間ごとに最適化
  • 植物の生理応答を解析し、昼寝現象を抑制する照射パターンを開発
  • 一般的な人工光栽培と比較し、収穫量 最大1.9倍消費電力 25%削減 を実現
  • 既存設備にも導入可能で、植物工場の省エネ化に貢献

社会への貢献

本技術は、人工光植物工場において生産効率を損なうことなく電力使用量を大幅に削減 できる点が評価されています。

  • 都市部の遊休空間を活用した新しい食料生産モデルの実現
  • 輸送に伴う CO₂ 排出量の削減
  • 持続可能な農業・食料供給への貢献

環境負荷を抑えながら安定生産を可能にする技術として、今後の普及が期待されています。

審査員からの評価

審査では以下の点が高く評価されました。

  • 植物の光合成抑制(昼寝現象)に着目した生理応答解析
  • RGB 独立調光による光波長組成と照射時間の最適制御
  • 大幅な収量増加と電力削減の両立
  • 既設設備への導入可能性と市場拡大への寄与

「人工光植物工場の生産効率を革新的に向上させる技術であり、市場の発展に大きく貢献することが期待される」

まとめ

今回の受賞は、当社が長年取り組んできた光制御技術 × 植物生理の理解 × 省エネ設計 の成果が認められたものです。
総評では、知事が未来を見据え、「月や火星で暮らすための技術は、いまの地球の暮らしにも役立つ。それに向かって邁進していただきたい。」との言葉をいただきました。

私たちは、この視点を大切にしながら、未来の食料生産と持続可能な社会に貢献する技術をこれからも探求していきます。

関連リンク

神奈川工業技術開発大賞シンボルマーク

第40回「神奈川工業技術開発大賞」が決定しました(神奈川県ホームページ)
エコブーストLEDソリューションの詳しい内容はコチラから(当社サービスページ)