植物の奥深さに魅せられる
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私は株式会社キーストーンテクノロジー社長を務める岡﨑聖一です。
今回のテーマは、私が新規事業推進のため、自ら大学・大学院で研究開発にチャレンジしたストーリーについて語ります。
突然ですが皆さんは動物と植物の違いをご存知ですか?
動物はアフリカを起源とする人類がユーラシア大陸を渡り、北アメリカ大陸から南アメリカ大陸の先端まで移動して繫栄したように、環境が変わればもっといい土地を探して移動できます(従属栄養生物)。一方、植物は根を張ったら一生動くことは出来ずに、そこで次世代に命のバトンを渡さなければなりません。それを可能にしているのは、植物は「環境に応答」し、光合成により自ら必要なエネルギーや栄養素を作り出すことが出来る(独立栄養生物)のです。暑くても寒くても脳が無いのに環境に応答または適応し、20億年も前から地球の命を支えてきた植物に対して私は心から尊敬の念を抱いています。研究すればするほど植物の魅力にハマります。
人工光型植物工場は、一般的に室内において人工光と水耕栽培を組合わせて植物を生産するシステムです。植物生産に適した「環境制御」をどのように行うかが重要になります。特に光合成の主役である“光”を植物がどのように使いこなしているかが理解できなければ、植物栽培に最適なLED光源の製品化は不可能です。
私は、大学・大学院で植物生理学、分子生物学、遺伝子工学等を学び、植物工場装置メーカーとして必要な知見を蓄積することが出来ました。植物生理学の教科書を手にした時、そのあまりにも広範囲で難解な内容に思わず教科書を破り捨てたい衝動に駆られたものです。植物は生物なのに、生物学の他に、物理学、化学、遺伝子工学などの知見が求められ、門外漢だった私は石に噛り付く思いで必死に勉学に励み、植物は「エネルギーとして」「シグナルとして」光を使いこなしているという重要な手がかりを得ることが出来、それをきっかけに実験が加速していきました。
次回は、植物は「エネルギーとして」「シグナルとして」光を使いこなしていることを更に掘り下げていきます。